81:my partner【天空の星空ヘブンス園原長野旅行編】
さてさて、いよいよ旅が始まりそうなところで次回に持ち越させていただいたわけですが、この旅は一泊二日なのでさくさくいこうと思います。
非常に事前準備にセンシティブになった今回の旅ですが、なんせ標高1400メーターの山へ向かう旅だということをもう一度繰り返させていただきましょう。
しかし、まずはウォーミングアップといわんばかりに電車からバスに乗り換えてすぐに一か所目の観光スポットへつきました。ツアーの内容を見ていない私はバスにのったばかりなのにもう一か所目の立ち寄りスポットか・・ほほう・・お手洗い行きたい・・くらいのぼーっとした感じで降り立ちました。
ですが、ここがなかなかすごかったんです。
寝覚の床(ねざめのとこ)
▼上からみた図
ひゃー!なんか川がすごいことになってる!
とても急な階段をおりて・・
鬱蒼とした舗装されていない獣道のようなところをとおりぬけると・・
どーん!
迫力ある特大サイズの岩々がお出ましです。大阪城で見た石垣よりもはるかに大きな岩々。なんでも浦島太郎が玉手箱をここであけたという話が残されているとか。
花崗岩を木曽川の流れが長い年月をかけて削っていき、このような形になったとか。
水力発電や用水の引水で木曽川の水面が低下したためにこんな風に川よりも岩の方がはるか高くに位置するようになったそうです。水の流れというのはとんでもないパワーがありますね。
登山者気分(by岳)を味わおうと、この大きな岩を大きなお尻でえっちらおっちら登るわたしをふるふる君はとてもハラハラしながら見守っていました。
川下までおりるにはとても元気な足腰と、汚れてもいい靴と歩きやすい靴が必要です。足元にご不安がある方は上の駐車場から眺める方がよろしいかと思います。
駐車場は無料で、そこそこの広さがありました。お土産屋さんも併設されていました。
さて、バスは進み、次の目的地は阿寺渓谷です。
大型バスに乗車していたのですが、まじでそんな道入るんですか!入っちゃうんですか!と三度見してしまうほど細い細い山道に分け入っていきます。
山から生え出している草木がバスの窓を今にも叩き割らんばかりです。ガードレールも何もない細道をぐんぐんまっしぐらに進んでいきますが、すぐ下に大きな川が見えています。
ニュースで目にした長距離バスの悲惨な事故現場映像が頭をよぎります。
無事駐車場に到着して安心したのもつかの間、私たち旅行者一行は、高い木々が生い茂る山林に降ろされました。真昼間だというのにこの高い木々のせいであたり一帯はどこかほの暗く、周囲を取り囲む水音でしーんと静まり返り、鳥や虫の鳴き声も聞こえません。無音の圧とでもいうのでしょうか。
人によってはきっとこれをマイナスイオンと呼んだりするのでしょうが、わたしはどうも光さえも遮るような山林は癒しを感じるよりも不安を覚えます。
しかしふるふる君は目的地についてとてもうれしそうです。なぜなら彼の大好きな滝と川がそこにあるから!
こちらが阿寺渓谷の川です。上から見下ろしていてもその透明度の高さが伝わります。この美しいエメラルドグリーンの水辺は「阿寺ブルー」と呼ばれているとか。
この阿寺渓谷は上流にダムも集落もないことから水が淀むことなくこうして透明な水をはるか川下までへも届けることができるそうです。
集落がない、といってもこんな山深いところに住む肝の太い人はいくら昔でもきっといなかったのではと思う私です。
ですが、圧巻の景色です。
本当に静かなところでした。わたしたち観光バス以外では車も片手でおさまるほどの台数しかなく、ここでバスがエンストでもしたらどうしようと不要な心配を最後までしていたわたしでした。
そしてこの後は宿にむけて一路出発。さすがは木曽。周囲は真っ暗です。
本日のお宿は昼神温泉というところなのですが、宿泊後、宿のお風呂にいらっしゃったスタッフの方にお伺いしたところ、昼神温泉はわりと最近できた温泉地とのことで周囲のホテルはどこも大型で外観からみるに確かにどこも新しそうでした。
星をみにいくだけじゃ人はこない、温泉があってはじめて繁盛する観光地になると私は確信しました。(何様
さっとお食事をいただき(内容についてはツアーですのであしからず)、お湯にゆっくりとつかる前にいざ、星をみに出発です!
このツアーのメインは、ヘブンス園原というところで星をみることなんです。
早速ウインドーブレーカーに着替え、バスに乗り込みました。
しょ、商売上手で名高いキティちゃんがめっちゃいる!
変なきのことか。
全体的に宇宙ステーションをイメージしているのか、お土産もの屋さんも変わった趣向で面白かったです。
これはトイレのマーク。
これはカフェ。
で、山頂まで大型のゴンドラで8人~10人程度つめこまれて向かうのですが、周囲はとにかく真っ暗。何も見えません。そのうえゴンドラ内さえも真っ暗で音楽も何もなく、ずーっと無音。どんどん高度をあげていく中、ロープとゴンドラがきしむ音しか聞こえません。
世界に取り残されたような、すべてが死に絶えてしまったかのような、そんな隔絶された時間が流れました。私は過去あんなに長い時間ゴンドラにのっていたことはないように思います。それは無音のせいか闇のせいかはわかりません。ふるふる君以外はもちろん乗り合わせた方たちはみな他人ですが、会話がよく聞こえます。
そしてどれだけの時間が流れたでしょうか。山頂までたどり着き、ゴンドラのドアが開かれると光と音と人の声が洪水のようにあふれました。
この山奥にこれだけの人がよく集まったものだと関心するほどに沢山の人々で山頂の広場は埋め尽くされていました。
場所とりどうしようかとあっちへうろうろこっちへうろうろ。
ふるふる君とシートを片手に回り、さぁいよいよと腰を落ち着けました。そして会場の盛り上がりも最高潮に・・・。そこへ司会者が現れました。
みなで電気消灯のカウントダウンをしましょう、と司会者が盛り立てます。
「3・・2・・・1・・・」
わたしとふるふる君は横になりました。今にも寝そうな目をぐっとこらえます。
嘘です、すでにこの時5分くらい寝ていたと思います。
パシーン!
すべての電気が消灯されました。
・・・・さぁ、空をみてみましょう。
はい、しってましたーーなにもみえないのはしってましたーー
だって一日曇天だったからぁー
でもーやまにのぼったらさーーーなんかさーーーみえるかもーーとかーーーおもっちゃったんだよねーーーーーだってさーーだってさーーー
すると何も見えない中、謎の歌手が謎の歌を歌い始めました。
・・・
われらはすぐさま立ち上がり、くだりのゴンドラに乗り込みましたとさ。
・・・この空は・・どこへ・・